発行日 2009年9月20日
Published Date 2009/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2009340975
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乳がん患者が診断されてから術後補助療法を終えるまでの間に同病者から受ける影響とその影響要因を明らかにすることを目的として、患者会に所属している乳がん経験者154名を対象とし、自記式質問紙調査を実施した。回収は118部であり、そのうち記入漏れの多い6部を除いた112部を分析対象とした。分析は、基本統計量、Mann-Whitney-U検定およびKruskal-Wallis検定、Spearmanの相関係数を用いた。その結果、「言葉に励まされた」「自分だけではないと思えた」など、大半の対象者が同病者から影響を受けていた。同病者からの影響は、プラス面へは大きく影響しているが、マイナス面への影響は、情報による混乱や不安な気持ちに少しなるという程度にとどまっていた。また、同病者から受ける影響として、職業、放射線療法経験、治療の辛さの程度、入院中や外来受診時の同病者とのかかわりの頻度によって違いがみられた。治療の辛さの程度が高い者や無職者は、同病者からマイナスの影響が及ぶことが高い可能性があること、外来での同病者同士がかかわりをもてるような工夫の必要性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009