発行日 2007年3月20日
Published Date 2007/3/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2007152904
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本研究は、地域で生活する乳がん患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)とサポートグループとの関連を明らかにすることを目的とした。対象は乳がんの手術後、地域で生活する女性72名(サポートグループ会員34名、非会員38名)であった。QOLの測定にはQOL-ACDを使用し、対象の特性として、年齢、就業状況、家族形態、術後期間、補助療法の有無、再発・転移の有無、受診間隔、他者への相談の有無とその満足度を調査した。結果、サポートグループ会員と非会員のQOLに有意な差はなく、本研究ではQOLとサポートグループとの関連は認められなかった。対象者の特性とQOLとの関連を検討したところ、対象者のQOLには相談の満足度が関連していることが明らかとなった。相談の満足度が高い者は、「社会性QOL」およびface scale得点が有意に高く(p<0.05)、「精神・心理状態QOL」およびQOL総合得点が高い傾向にあった。よって、サポートグループも他者とのつながりを得る資源の一つとして機能しているのではないかと考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007