発行日 2011年1月20日
Published Date 2011/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2011105459
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がん患者の前向きな闘病生活の援助に役立てることを目的として、がん告知を受けた患者本人が書いた闘病記81冊を読み、著者が勇気づけられたと記述している段落と、それに対応する勇気づけた他者の言動が記述された段落をペアで抜き出した。61冊から112記録単位が抽出され、これらは『私も応援していますよという姿勢』『つらい体験の共有や共感』『プラス思考の生き方の提示』『治癒する可能性の示唆』の4つのカテゴリに集約された。患者を勇気づけるうえで重要な他者は配偶者、家族、がん患者同士、友人・知人、看護師、メディアなどが関与していた。患者との関係性の違いによってその役割は異なっており、どの他者がより患者にとって重要なのかではなく、多面的に患者を支援するために異なった役割を果たす複数の他者の存在が重要であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2011