発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2008093986
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目的:家族性大腸腺腫症(FAP)のため予防的大腸切除術を受けた後の、患者の排便状態と症状体験を明らかにする。方法:UCSF症状マネジメントモデルの症状の体験の枠組みをもとに作成した半構成的質問紙を用いて、FAPと診断され大腸全摘術を受けて術後6ヵ月を経過した成人患者3名に面接を実施した。結果:大腸全摘術後の排便状態を表す6項目(1)排便の性状、(2)便意の有無、(3)排便排ガス識別能の有無、(4)漏便の有無、(5)蠕動運動の強弱、(6)腹鳴の強弱が明らかになった。大腸全摘術6ヵ月後の症状体験は、A氏:下痢、B氏:腹部のつまり感、C氏:夜間の漏便と個別的であったが、がんを回避できた、仕方のないこと、死ぬよりよいと共通して生命の尊さを第一に考えていた。考察:症状は、患者本人の特有なものであるため、看護師が排便状態や生活への支障度、患者のセルフケア能力といった全体的なアセスメントを行い、患者とともに患者の生活に合わせた症状マネジメントを模索する必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2008