発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2008093987
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本研究の目的は、足浴と足部マッサージを組み合わせた看護ケア(足浴後マッサージ)が、がん化学療法による遷延性嘔気を軽減させることを検証することである。対象はプラチナ製剤(CDDP)による化学療法を受けた肺がん男性患者(実験群24名:平均年齢59.6(SD11.3)歳、対照群21名:平均年齢64.3(SD7.9)歳)である。実験群は通常の看護ケア以外に、CDDP投与後3~5日目に1日1回足浴後マッサージを行った。対照群は通常の看護ケアのみを受けた。遷延性嘔気の指標として、100mmの水平直線の主観的感覚尺度(VAS)を使用した。その結果、(1)2群間の遷延性嘔気の出現率に有意な差はなかった。(2)実験群において、足浴後マッサージ後にVAS値が低下し、2群間に有意差が認められた(p=0.040)。(3)足浴後マッサージ後に嘔気のVAS値が増加した者はいなかった。(4)足浴後マッサージによって、80%以上の者に嘔気のVAS値の減少が認められた。したがって、足浴後マッサージは、CDDPを使用した化学療法に伴う遷延性嘔気を軽減させることに有効な看護ケアの一つになることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008