発行日 2005年11月20日
Published Date 2005/11/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2006045363
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血液疾患患者をケアする看護職員の白血病ターミナル期に関する認識を明らかにするとともに,認識への関連要因を探索した.関東1都3県の大学病院と全国がん(成人病)センター協議会加盟病院の血液科病棟に勤務する看護職員を対象に,自記式質問紙調査を実施した.31施設中23施設26病棟から同意を得た.対象は438名(有効回答率93.0%)であった.99%の看護職員が,白血病に「ターミナル期はある」と認識していたことから,ターミナル期を意識したケアが白血病患者に対しても行われており,白血病患者への緩和ケア適用の必要性が考えられていることが示唆された.白血病ターミナル期の具体的時期として,7割以上が「治癒を目指した治療をしなくなる時期」から「プラスコントロール不可の時期」を回答し,遅くとも,「治癒の可能性は低いがADLはある程度自立している,症状の安定期から移行期」ととらえていることがわかった.白血病ターミナル期の認識と個人要因との間に有意な関連はなかった.今後,白血病患者への緩和ケアの具体的検討のために,白血病患者自身のターミナル期の経験やニーズ,ケアの現状や問題点について詳細に把握することが必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005