発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2014122262
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研究目的:本研究は、がん看護に携わる看護職の看護実践への研究成果活用の現状と関連要因を明らかにすることと、がん看護の質の向上を目指した研究成果活用の教育と支援システムを検討することを目的とした。研究方法:研究対象者は、全国の375のがん診療連携拠点病院の看護職1,500名であった。データ収集方法は、「研究結果の入手のしやすさ」、「研究利用結果の期待」、「研究活用の組織的支援」、「研究活用への他者からの支援」の4つの下位尺度から構成されている「日本語版研究活用バリア尺度」を郵送して行った。データ分析は、内容分析、記述統計、対応のないt検定、分散分析、ピアソン積率相関、重回帰分析により行われた。分析結果:400名の看護師から返送され、回収率は26.7%であった。研究成果をがん看護実践に活用する頻度として、「ときどき活用する」から「よく活用する」まで含めると37%であった。「研究利用結果の期待」を従属変数とし、重回帰分析を行った結果、有意な予測変数は、認定資格保有の有無(β=0.128)と所在地・ブロック(β=0.118)であった。内容分析の結果により、教育的・組織的な支援の必要が明らかとなった。結論:研究成果をがん看護実践に活用するため、組織における支援体制や継続教育体制の検討が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2014