発行日 2011年1月20日
Published Date 2011/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2011105458
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がんに対する積極的治療が望めなくなった時期における、がん患者の家族の情報ニーズを明らかにすることを目的にアンケート調査を実施した。調査用紙は256通配布し、回収は90通(回収率35.2%)であった。積極的治療が望めなくなった時期の家族が医療に関して得たい情報は、「緩和ケア施設の概要」、「在宅療養」、「症状緩和の方法」であり、医療以外の情報は、「患者との接し方」、「経済的なこと」、「家族に対するケア」であった。多くの情報を「診断からなるべく早い時期」に得たいと希望し、入手方法はすべての項目において「直接話す」ことを希望した。以上のことより、積極的治療が望めなくなった時期は、治療をあきらめたくない思いを理解したうえで緩和ケアへの移行を視野に入れた情報提供を行い、家族の揺れる気持ちを支援することが必要である。また、診断の早期から医療に関する情報だけでなく、経済・生活課題に関する情報提供体制を整え、家族が患者を支えるための情報と、家族自身を支えるための情報を継続して提供していくことが必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011