発行日 2011年9月20日
Published Date 2011/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2012018849
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本研究は、看護師が病棟や外来において再発乳がん患者に対して抱いている思いを明らかにすることを目的とした。調査協力病院の看護部または知人を通じて紹介された乳がん看護経験が1年以上ある看護師に対して、半構成的面接を実施し、印象に残っている再発乳がん患者とのかかわりを中心に思いを語ってもらった。得られたデータを質的帰納的に分析した。その結果、再発乳がん患者に対して看護師が抱いている思いとして、【乳がん患者の頑張り・強さを感じる】【乳がんは一生付き合っていかなければならないが、先が見えづらい】【再発患者は多くの苦痛を抱えている】【再発患者との関わりは構えてしまう】【再発患者との関わりが不十分である】【看護師としてつらい】【自分なりの関わる姿勢がある】の7つのカテゴリーが明らかとなった。看護師は患者と接する時間の少なさや関わりの不十分さからくる後悔の思い、同性である患者に対する感情移入などから看護師としてのつらさを感じる一方、患者の女性本来の頑張りや強さに影響を受けて、自分なりの看護師としての姿勢をもっていることが示された。
©Nankodo Co., Ltd., 2011