発行日 2002年1月20日
Published Date 2002/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2002136203
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乳房温存術患者の術前・術後のストレス・コーピングを明らかにした.対象は,外来で病名告知を受けた平均年齢50.3歳の16名とした.術前のストレスは13,術後は11のカテゴリーに分けられ,多くの人は,術前には「気持の整理」「医療者」を,術後には「乳房変形・傷跡」を,また,術前・術後を通して「転移・再発」に対するストレスを体験していた.患者が用いたコーピングは,術前は12,術後は13の方略に分けられ,術前・術後を通して「情報検索」「具体的な解決策の立案」「自分を励ます」などのコーピング方略を多くの人が用いていた.がん告知による衝撃の大きい時期には患者の心理状況を把握して温かく見守り,患者が現実を直視し始めれば,コーピングを使えるような援助が必要であると考えられた.また,術式選択時に生じる疑問や不安を医療者に話したり,相談できるような環境を整える必要があると考えられた.さらに,ボディ・イメージの変化を受容できるような関わりや,転移・再発の不安を和らげる必要があると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2002