発行日 2000年11月20日
Published Date 2000/11/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2001112167
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乳房温存術21名(温存群)と,胸筋温存乳房切除術51名(乳切群)に術後10日,1ヵ月,3ヵ月,6ヵ月の時点で面接調査を行い,術後の不安状態に関連する要因を明らかにした.温存群では,自尊感情が低い者ほど術後10日及び1ヵ月の状態不安が高く,乳切群では,身体症状が強く,創部の受け入れが悪い及び,自尊感情が低い者ほど6ヵ月後の状態不安が高かった.又,対処行動では,両群共に,10日目,1ヵ月,3ヵ月に情動焦点コーピングをとった者で,6ヵ月後の不安が有意に高かった.以上より,心理的適応促進のためには,身体症状の緩和と,術後早期からの自尊心感情を維持する支援が必要であり,対処行動との関連では,術後1ヵ月,3ヵ月に情動中心コーピングを多くとっている者に対する適切な援助の必要性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2000