認知症1,000万人時代を目前に控えて-最新の診断,マネジメント,そして分子標的治療へ 非Alzheimer型認知症の病態研究の最前線
Lewy小体病
水上 勝義
1
1筑波大学 大学院人間総合科学研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻
キーワード:
認知障害
,
Lewy小体病
,
Donepezil
,
抑肝散
,
早期診断
,
行動心理学的症候
Keyword:
Cognition Disorders
,
Lewy Body Disease
,
Early Diagnosis
,
Donepezil
,
Yi-Gan San
pp.267-270
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338865
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Lewy小体とは,α-synucleinを主構成成分とした病理構造物である.Lewy小体型認知症(DLB)は,変動する認知障害,幻視,パーキンソニズム,レム睡眠行動障害(RBD)などを主症状とする.DLBの診断には2005年に改訂された診断基準が用いられてきたが,2017年6月に新基準が提唱された.うつ症状,幻覚・妄想症状,心気症状などの精神症状や,RBD,自律神経症状,嗅覚障害などが前駆期や早期からしばしばみられる.認知障害治療薬としてコリンエステラーゼ阻害薬が承認されている.行動・心理症状(BPSD)に対して抑肝散や抑肝散加陳皮半夏が有効な場合がある.非定型抗精神病薬の過敏性には要注意である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017