認知症1,000万人時代を目前に控えて-最新の診断,マネジメント,そして分子標的治療へ 認知症診療の最前線
BPSDの薬物治療
數井 裕光
1
1大阪大学 大学院医学系研究科精神医学分野
キーワード:
Alzheimer病
,
向精神剤
,
認知症
,
抗認知症剤
,
診療ガイドライン
,
Lewy小体病
,
Donepezil
,
家庭医
,
行動心理学的症候
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Dementia
,
Physicians, Family
,
Psychotropic Drugs
,
Practice Guidelines as Topic
,
Nootropic Agents
,
Lewy Body Disease
,
Donepezil
pp.209-211
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338852
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BPSDに対する薬物治療は,適切な対応法や非薬物療法では治療困難な場合,ただちに症状を軽減させる必要がある場合などに行う.ただしAlzheimer病とLewy小体型認知症のBPSDの一部は,抗認知症薬によって改善可能であるため,早期診断に基づいてこれらの薬剤を早期から投与することがBPSDの治療にもなりうる.焦燥性興奮,不安,幻覚,妄想に対しては非定型抗精神病薬の使用が可能であるが,これらの薬の使用の際には,適応外使用であること,有害事象が起こりうることなどを本人と家族に説明し,治療も協同する必要がある.現在,本邦では「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン(第2版)」が公開されており,参考になる.
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