発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016356573
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症例は48歳女性で、立ちくらみで受診した。全身CTで子宮筋腫を認め、子宮筋腫由来の鉄欠乏性貧血と診断した。約1ヵ月間の経口鉄剤の投与で貧血は急速に改善した。突然、今までにない頭痛が出現し、救急搬送された。突然大きないびきをかき、意識レベルが低下し、全身性強直間代性けいれん発作をきたした。ジアゼパムの静注で発作は消失した。頭部MRIにて後頭葉領域に多発性の異常信号域を認めた。臨床症状と画像所見から、可逆性後頭葉白質脳症(PRES)と診断した。痙攣予防のためゾニサミドを開始した。経過中に一度、頭痛の増悪がみられたが徐々に痛みは軽快した。入院10日目に頭部MRIを再検し、救急受診時にみられた後頭部に散在するT2高信号の病変はほぼ消退した。入院11日目に退院、以後1年が経過しているが、症状の再燃はなく、定期的な頭部MRI検査でも異常所見を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016