内科医がおさえておくべきパーキンソン病診療のポイント パーキンソン病診療の基礎知識
パーキンソン病の手術療法 適応からコンサルトまで
中島 明日香
1
,
下 泰司
,
大山 彦光
,
梅村 淳
,
服部 信孝
1順天堂大学 脳神経内科
キーワード:
淡蒼球
,
Parkinson病
,
紹介と相談
,
視床下核
,
脳深部刺激
Keyword:
Globus Pallidus
,
Parkinson Disease
,
Referral and Consultation
,
Subthalamic Nucleus
,
Deep Brain Stimulation
pp.203-206
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016309836
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1960年代にドパミンの枯渇がパーキンソン病の病態であることが見出されて以来,現在のパーキンソン病の治療のゴールドスタンダードはL-ドパを含めたドパミン補充治療である.しかし,長期の薬物治療によって,進行期のウェアリングオフやジスキネジアといった運動合併症が問題となってきた.近年,これらの運動合併症には可逆的な機能的外科治療である脳深部刺激療法(DBS)が有効とされている.パーキンソン病におけるDBSのターゲットには主に視床下核(STN)と淡蒼球内節(GPi)があり,どちらも運動合併症に対して効果がある.一般的には,パーキンソン病の診断が確定しており,適切な内服治療にもかかわらず運動合併症によりこれ以上の内服での加療が困難な場合がDBSの適応とされている.患者の診断や適応評価,刺激ターゲットの選択にはDBSセンターでの最終的な判断を要する.一般の内科医やパーキンソン病を専門としない医師は判断に迷うことがあり,その場合は患者をDBSセンターに積極的に紹介することが望ましい(DBS適応評価補助ツールであるEARLYSTIMULUSも適宜利用する).
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