内科医がおさえておくべきパーキンソン病診療のポイント
パーキンソン病の病態メカニズムからみた根本治療の可能性
石川 景一
1
,
服部 信孝
1順天堂大学 大学院医学研究科神経学講座
キーワード:
遺伝学的治療
,
受動免疫
,
Parkinson病
,
能動免疫療法
,
細胞移植
,
酸化ストレス
,
Alpha-Synuclein
,
ミトコンドリア病
,
小胞体ストレス
Keyword:
Immunization, Passive
,
Parkinson Disease
,
Genetic Therapy
,
Immunotherapy, Active
,
Oxidative Stress
,
Cell Transplantation
,
Mitochondrial Diseases
,
alpha-Synuclein
,
Endoplasmic Reticulum Stress
pp.175-180
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016309831
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パーキンソン病の病態メカニズムとして,蛋白分解機構の破綻,ミトコンドリア機能異常,酸化ストレス,ERストレスがあり,さらにα-シヌクレイン(α-Syn)が細胞間を伝播して病態が広がる可能性が指摘されている.α-Synに対する抗体治療の有効性がモデル動物で確認され,現在臨床試験が進行中である.ウイルスベクターを用いた臨床試験は,安全性の確認はできたものの,効果が不十分であり,改良が検討されている.ヒト胎児中脳移植治療は,適切な患者には有効である可能性が高く,欧州で臨床試験が行われている.iPS細胞やES細胞も同様の効果が期待されるが,安全性の担保に課題がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2016