内科医のためのパーキンソン病診療
病態の解明と研究の進歩 小胞体ストレスとパーキンソン病
江川 斉宏
1
,
高橋 良輔
1京都大学 大学院臨床神経学分野
キーワード:
小胞体
,
ストレス
,
Parkinson病
,
アポトーシス
,
ノックアウトマウス
,
JNK MAP Kinases
,
G-Protein-Coupled Receptors
,
Alpha-Synuclein
,
Ubiquitin Thiolesterase
,
CHOP転写因子
,
Pael Receptor
,
Parkin Protein
,
ERN1 Protein
Keyword:
Endoplasmic Reticulum
,
Parkinson Disease
,
Apoptosis
,
Mice, Knockout
,
Ubiquitin Thiolesterase
,
JNK Mitogen-Activated Protein Kinases
,
Receptors, G-Protein-Coupled
,
alpha-Synuclein
,
Transcription Factor CHOP
,
Parkin Protein
,
ERN1 Protein, Human
pp.869-873
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007169043
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小胞体は、合成された蛋白質の正常な折りたたみとともに、折りたたみに失敗した蛋白質の分解誘導を行っており、蛋白質品質管理という役割をもつ。小胞体内での過剰な蛋白や異常蛋白の蓄積が生じることを小胞体ストレスと呼ぶが、細胞はそれらへの防御作用として小胞体ストレス応答を起こす。ストレスがその応答処理能力を超えると、アポトーシスによる細胞死が起こる。家族性パーキンソン病の病態には、このような小胞体ストレスによるドパミン細胞死が関与していると考えられている。異常な蛋白質の蓄積や小胞体ストレス応答のメカニズムの解明をめざした分子レベルのアプローチが、パーキンソン病を含む神経変性疾患の病態解明や治療につながるのを期待する。
©Nankodo Co., Ltd., 2007