慢性腎臓病(CKD)診療を極める CKDの進展抑制と治療
RA系阻害薬を中心とする薬物療法の現状と今後への期待
岡田 浩一
1
1埼玉医科大学 医学部腎臓内科
キーワード:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Pentoxifylline
,
多剤併用療法
,
タンパク尿
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
,
Aliskiren
,
慢性腎臓病
Keyword:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Drug Therapy, Combination
,
Pentoxifylline
,
Proteinuria
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Aliskiren
pp.83-87
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016259147
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アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)・アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は糸球体内圧上昇の軽減による蛋白尿の減少および糸球体硬化の抑制効果を示すことから,糖尿病もしくは蛋白尿を伴うCKDに対する標準治療薬として広く推奨されている.しかし,その普及にもかかわらず,末期腎不全に到達する患者数の有意な減少には結び付いていない.ACEI,ARBや直接的レニン阻害薬(DRI)の併用療法によるより厳格なレニン-アンジオテンシン(RA)系阻害には,高K血症と急性腎不全のリスクを伴う.今後は糸球体内圧上昇の軽減を介さない,新しいメカニズムによるCKD進行抑制療法の開発が期待される.
©Nankodo Co., Ltd., 2016