発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016241336
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症例は52歳男性で、両下肢浮腫で受診し、胸部X線と心電図異常を指摘された。理学的所見と胸部X線、心臓超音波検査から右側大動脈弓を伴う修正大血管転位症および左側房室弁逆流による急性心不全と診断した。カルペリチドと利尿薬投与により症状は改善した。右側大動脈弓を合併した修正大血管転位症をCTにより評価した。内臓逆位は認めず、下大静脈は脊柱右側で右房に流入(心房位は正位)、大動脈は肺動脈の左側に位置(大血管位はLポジション)、大動脈主要分枝は左総頸動脈、右総頸動脈、右鎖骨下動脈、左鎖骨下動脈の順に起始、左鎖骨下動脈はKommerell憩室から起始し、食道と気管を後方から圧迫する血管輪を形成した。嚥下障害はなかった。心不全は内服薬に変更後も悪化はなく、三尖弁逆流も軽度となった。5年を経過したが心不全増悪や嚥下障害を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016