発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016241334
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症例は79歳女性で、5年前ごろから物忘れ症状を自覚した。1年前頃よりつまずいて転倒しやすくなり、左下肢にて触れている感覚自体はあるがスリッパを履いている感じが分かりづらいなどといった特異な感覚症状を自覚した。触れている感覚はあるがそれが何か分かりづらいといった同様の症状は左上肢にもみられた。また、左上肢が思うように動かず勝手に動いてしまうという症状も出現した。左右非対称性の臨床所見であり、筋強剛がみられ、運動失行や前頭葉性の遂行機能障害があることからCambridge基準必須項目全てを満たし、潜行性に発症し緩徐進行であること、他人の手徴候、皮質性感覚障害、視空間障害がみられることから同基準の支持項目4項目を満たした。以上より、診断に必要な項目を満たし大脳皮質基底核変性症(CBD)と診断した。L-ドパ・カルビドパ配合薬を投与し、限定的ながら筋強剛に改善がみられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016