診療controversy medical decision makingのために 軽度認知障害(MCI)の診療
積極的に治療介入するべき
浦上 克哉
1
1鳥取大学 医学部保健学科生体制御学講座・環境保健学分野
キーワード:
Alzheimer病
,
SPECT
,
知能検査
,
脳循環
,
Donepezil
,
軽度認知障害
,
長谷川式簡易知能評価スケール
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Cerebrovascular Circulation
,
Intelligence Tests
,
Tomography, Emission-Computed, Single-Photon
,
Cognitive Dysfunction
,
Donepezil
pp.921-925
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011021880
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筆者は、軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)レベルから積極的に治療をすべきという立場をとっている。その理由は、臨床症状などからMCIの基準を満たしMCIとして診断している患者においても、脳血流シンチグラフィ(SPECT)でしばしば側頭葉や頭頂葉の血流低下を示し、髄液中アミロイドβ蛋白1-42は減少し、リン酸化タウ蛋白が増加しており、アルツハイマー型認知症(AD)によく一致する所見を示すからである。このような所見を有するMCI症例は、臨床所見はMCIの基準に一致していたとしても、脳の病理学的変化はすでにアルツハイマー型認知症の状態になっていると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010