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高齢のCKD患者において,サルコぺニア・フレイル・protein-energy wasting(PEW)対策をどうとるか
上月 正博
1
1東北大学 大学院医学系研究科機能医科学講座内部障害学分野
キーワード:
運動療法
,
血液透析
,
食事療法
,
腎不全-慢性
,
るいそう
,
虚弱高齢者
,
筋肉減少症
,
慢性腎臓病
Keyword:
Emaciation
,
Exercise Therapy
,
Diet Therapy
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Frail Elderly
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Sarcopenia
pp.941-945
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044805
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CKD患者は,高齢化や運動不足に加えて,尿毒症物質の蓄積,アシドーシス,糖の利用障害,炎症性サイトカインなどのためサルコペニア・フレイル・PEWをきたしやすい.CKD患者においても運動耐容能の低下やサルコペニア・フレイル・PEWはQOLや生命予後に大きな影響を与える.腎臓リハビリテーション(腎臓リハ)は,運動療法,食事療法と水分管理,薬物療法,教育,精神・心理的サポートなどを行う長期にわたる包括的なプログラムであり,CKD患者のQOL向上や生命予後改善をもたらす.腎臓リハにより保存期CKD患者の腎機能が改善するという報告が相次ぎ,保存期CKD患者の透析導入を先延ばしできる可能性もある.2011年に日本腎臓リハビリテーション学会が設立され,今後の腎臓リハの普及・発展が期待される.
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