炎症性腸疾患 最近の動向
総論 炎症性腸疾患に対する外科治療の位置づけ
杉田 昭
1
,
小金井 一隆
,
木村 英明
,
山田 恭子
,
黒木 博介
,
鬼頭 文彦
,
福島 恒男
1横浜市立市民病院 外科
キーワード:
Crohn病
,
Ciclosporin
,
Prednisolone
,
病的狭窄
,
再発
,
十二指腸疾患
,
消化器外科
,
大腸炎-潰瘍性
,
腹腔鏡法
,
回腸嚢肛門吻合術
,
治療成績
,
Infliximab
Keyword:
Infliximab
,
Constriction, Pathologic
,
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Duodenal Diseases
,
Laparoscopy
,
Prednisolone
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Recurrence
,
Treatment Outcome
,
Cyclosporine
,
Proctocolectomy, Restorative
pp.1506-1516
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010040847
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炎症性腸疾患のうち多くを占める潰瘍性大腸炎とCrohn病は近年増加しており、若年者に多く、治療の目的は社会復帰を含めた生活の質(quality of life:QOL)の向上である。潰瘍性大腸炎の標準術式である回腸嚢肛門吻合術、回腸嚢肛門管吻合術の術後経過は良好であることから、内科治療でQOLの向上がない症例には社会的適応を含めて手術適応の拡大を考慮してよいと考えられる。Crohn病には術後再発はあるが、内科治療が有効でない症例には時期の遅れがなく、適切な手術を行うことがQOLの向上に必要である。術後再発率が高いことから、再発危険因子の検索とともにエビデンスに基づいた適切な再発予防治療の開発が早急に望まれる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009