一般内科診療で役立つうつ病の知識-こころの問題にどう対処するか
光トポグラフィー(NIRS)
平野 仁一
1
1慶応義塾大学 医学部精神・神経科学教室
キーワード:
うつ病
,
鑑別診断
,
光トポグラフィー
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Depressive Disorder
pp.275-279
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015095438
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精神疾患の臨床診断は通常,本人や家族からの問診結果に基づいてなされるが,問診から得られる情報が十分でなかったり,情報を十分に得てもなお診断の確定が困難である場合が少なくない.とくに,うつ病,双極性障害および統合失調症等は,いずれも初期にうつ状態を呈することが多いため,正確な鑑別診断はしばしば困難である.これまでは精神疾患の診断に関する生物学的な指標が確立されていなかった.光トポグラフィー検査は人体に安全な近赤外線を用いて,脳表の血流変化を捉えるものである.言語流暢性課題下での光トポグラフィー検査は,抑うつ状態の鑑別診断の補助として2014年から保険採用されており,精神科臨床において臨床診断の補助となるものである.
©Nankodo Co., Ltd., 2015