心不全予防 その最前線を探る
併発した他臓器障害を考慮した予防的介入を探る 心不全とうつ病
木村 宏之
1
,
尾崎 紀夫
1名古屋大学 大学院医学系研究科精神医学分野
キーワード:
Norepinephrine
,
Adrenergic Beta-Antagonists
,
うつ病
,
患者コンプライアンス
,
抗うつ剤
,
心不全
,
精神療法
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
Serotonin-Noradrenaline Reuptake Inhibitors
Keyword:
Serotonin and Noradrenaline Reuptake Inhibitors
,
Adrenergic beta-Antagonists
,
Antidepressive Agents
,
Depressive Disorder
,
Heart Failure
,
Norepinephrine
,
Psychotherapy
,
Patient Compliance
,
Serotonin Uptake Inhibitors
pp.465-469
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177256
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1993年に、うつ病が心筋梗塞の死亡率に影響を与えることが明確になって以降、心血管系疾患とうつ病との関連に関心が向けられている。うつ病は、悲観的な考えにより治療コンプライアンスを低下させるだけでなく、うつ病による生理学的変化、血小板凝集能の亢進、サイトカイン系亢進などの影響も考えられている。心血管疾患の中で、心筋梗塞については薬物療法と精神療法に関して大規模な介入研究が行われて、その有効性が確認されている。一方、心不全に関しては慢性に経過するため、自然経過研究や有病率の検討が中心となっている。本稿では、心不全を中心に心血管疾患とうつ病との関連や病態について概説し、さらに実際のうつ病の治療について、内科医師の診察を想定しながら解説した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007