到来 二人に一人脳卒中時代 脳卒中の疫学・診断・検査
脳卒中の危険因子と対応法
寺山 靖夫
1
1岩手医科大学 内科学講座神経内科・老年科分野
キーワード:
飲酒
,
危険因子
,
喫煙
,
血液凝固異常
,
高血圧
,
脂質異常症
,
心房細動
,
糖尿病
,
動脈瘤-解離性
,
脳動脈瘤
,
奇異塞栓症
,
診療ガイドライン
,
脳卒中
,
脳塞栓症
Keyword:
Alcohol Drinking
,
Aneurysm, Dissecting
,
Blood Coagulation Disorders
,
Intracranial Aneurysm
,
Atrial Fibrillation
,
Diabetes Mellitus
,
Hypertension
,
Risk Factors
,
Smoking
,
Practice Guidelines as Topic
,
Embolism, Paradoxical
,
Intracranial Embolism
,
Stroke
,
Dyslipidemias
pp.831-837
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013173254
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脳出血・脳梗塞の発症にもっとも大きく関与する因子は高血圧であり,脳梗塞の発症に関しては心疾患,喫煙,糖尿病,脂質代謝異常,肥満,過度の飲酒,ストレスなどが続く.発症予防には,これらの危険因子を包括的にコントロールすることが必要である.脳卒中の一次・二次予防として推奨される降圧薬としては,Ca拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,利尿薬などがあげられる.β遮断薬は脳血流を低下させるものがあり推奨されていない.心房細動は心原性脳塞栓症のもっとも大きな危険因子であり,原因の8割を占める.また,心房細動発症の危険因子としても高血圧,糖尿病,肥満,喫煙があげられ,心原性脳塞栓症の予防にはこれらの危険因子の管理が重要である.若年者の脳卒中は頻度としては多くないが,発症後に患者や家族に長期にわたり負担がかかり,社会生活における問題を引き起こすこと,また高齢者と異なり,特殊な原因により発症することが多いことから,専門的な知識が必要である.
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