震災医療-来るべき日への医療者としての対応
《急性期に対応を要する病態》環境性体温異常(偶発低体温症、熱中症等)
阿南 英明
1
1藤沢市民病院 救命救急センター
キーワード:
危険因子
,
体温
,
低体温症
,
熱射病
,
分類
,
重症度指標
,
復温
,
災害医学
,
緊急避難所
,
生活指導
,
東日本大震災
Keyword:
Body Temperature
,
Classification
,
Hypothermia
,
Risk Factors
,
Severity of Illness Index
,
Rewarming
,
Heat Stroke
,
Disaster Medicine
,
Emergency Shelter
pp.952-956
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013059497
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<ポイント>・大規模災害による空調設備の破綻や家を失うことで、被災者は極端に高いまたは低い環境温に直接曝される機会が高まる。・避難時に適切な衣類をもっていくことができず、心身のストレスを抱える被災者、とくに高齢者は身体の体力低下と恒常性維持能力の低下によって偶発低体温症や熱中症を発症しやすい。・低体温症に対しては濡れた着衣や冷たい物質との接触を避け、早期に復温するように努める。・熱中症は避難所での発症予防が重要で、軽症例は脱水とNa喪失が主体であり重症例では発汗能力も失われ高体温になる。・よって熱中症の治療は塩分、水分の補給と気化熱を利用した冷却などを行うことになる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012