その輸液、間違っていませんか?-輸液のコントラバシーとピットフォール
《電解質輸液のコントラバシー・ピットフォール》周術期輸液とは?
丸山 一男
1
,
張 尓泉
,
横地 歩
1三重大学 大学院医学系研究科麻酔集中治療学
キーワード:
細胞外液
,
輸液療法
,
周術期管理
Keyword:
Perioperative Care
,
Extracellular Fluid
pp.240-244
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012143520
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●[輸液量=維持量+欠乏量+喪失量]である。●手術、熱傷、敗血症では、機能していない細胞外液、つまり細胞内外を行き来できず、そこに溜まりとどまっている液(非機能的細胞外液)が出現する。非機能的細胞外液が貯留する場所がサードスペースである。●術後2、3日からサードスペースに貯留した液が機能的細胞外液に戻る。これをrefillingという。●輸液剤で血管内にとどまる液量は、膠質液が晶質液より多い。●膠質液を用い輸液量をしぼり気味にするconservative、restrictiveな輸液に対して、晶質液のみによるliberalな輸液は総輸液量が多くなる。●conservative、restrictiveな輸液により、悪心・嘔吐・心肺合併症・再手術が減少し、腸管機能や組織の酸素化が改善し、入院日数が短縮するとの報告が増えてきた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012