その輸液、間違っていませんか?-輸液のコントラバシーとピットフォール
《栄養輸液のコントラバシー・ピットフォール》栄養輸液のうそ・ほんと ストレス係数と血糖値管理について
寺島 秀夫
1
1筑波大学 大学院医学医療系外科学
キーワード:
Insulin
,
エネルギー摂取量
,
基礎代謝
,
血糖
,
高血糖症
,
輸液療法
,
生理的ストレス
,
強化インスリン療法
Keyword:
Basal Metabolism
,
Blood Glucose
,
Energy Intake
,
Hyperglycemia
,
Insulin
,
Stress, Physiological
pp.265-272
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012143525
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●過去10年間において栄養輸液領域で真偽のほどが激変した事項を渉猟してみると、ストレス係数と血糖値管理がこれに該当し、その真偽を精査した結果、以下の結論を得た。●ストレス係数および基礎エネルギー消費量に同係数と活動係数を乗じてエネルギー必要量を算定する方法は、科学的に不適切であるため、利用するべきではない。●強化インスリン療法は、その有効性が実証されておらず、重症患者に対して治療として行うべきではない。現在、重症患者に対する標準的な治療は、厳密な血糖値管理として140~200mg/dlの血糖値域で管理を行うことである。●高血糖状態のみならず、過剰なエネルギー投与(overfeeding)自体が感染を助長する可能性が推定されるので、適切なエネルギー投与量の設定が第一義である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012