発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011186227
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
79歳女。高血圧、脂質異常症による内服加療、認知症・うつ病によるdonepezil、etizolamの服用および糖尿病によるglibenclamide、pioglitazone内服の既往歴があり、胃癌に対し幽門側胃切除術を施行し経過良好であった。術後3ヵ月頃より発熱を生じ、呼吸器感染症の疑いでpiperacillinを処方されたが、発熱4日後に昏睡状態で発見され救急搬送された。低血糖を認めたためブドウ糖静注され、血糖は改善したものの意識障害が遷延し、発症14日後に当科入院となった。発症15日後の頭部MRI拡散強調像で両側海馬および淡蒼球に高信号域を認め、発症20日後の脳波では全般性の徐波を認め、基礎波は3Hz(δ波)であった。経過および各種所見より低血糖昏睡と診断し、発症32日後よりamantadine投与を開始したところ、意識レベルは改善し、発語がみられるようになり、脳波では8Hz(α波)の出現を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011