発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011135154
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63歳男性。患者は前立腺癌に対する両側精巣摘出術後から約1年目に肝機能異常を認め、著者らの施設へ紹介となった。所見では空腹時血糖133mg/dl、HbA1c 7.3%、HOMA-IR 3.45で、糖尿病として食事・運動療法を開始するとともに肝機能を経過観察したが、トランスアミラーゼの高値が持続するため、入院となった。入院時、ASTおよびALTは上昇がみられ、性ホルモンは低下が認められた。また、腹部超音波では肝腎コントラスト上昇がみられ、腹部CT値では肝/脾比が0.49と低下していた。肝生検よりNASHと診断され、pioglitazoneの投与を開始したところ、AST、ALT、HbA1cは著明な低下が認められた。目下、治療開始後約1年経過にてT値の肝/脾比は1.16と上昇し、肝生検でも明らかな改善が認められた。
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