甲状腺疾患 日常診療のTips and Essence
治療 バセドウ病の手術療法
杉野 公則
1
1伊藤病院 外科
キーワード:
Thyrotropin
,
危険因子
,
Graves病
,
甲状腺切除
,
再発
,
Thyrotropin Receptors
,
治療成績
,
Thyrotropin-Binding Inhibitory Immunoglobulin
Keyword:
Graves Disease
,
Risk Factors
,
Receptors, Thyrotropin
,
Recurrence
,
Thyroidectomy
,
Thyrotropin
,
Treatment Outcome
,
Thyrotropin-Binding Inhibitory Immunoglobulin
pp.53-56
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011078923
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・バセドウ病に対する手術療法が適応となる症例は、以前に比して明らかに減少してきているが、いまだ本療法がもっとも有用と考えられる症例は少なからず存在する。・手術方法は、内服なしで術後甲状腺機能正常を目標とする甲状腺亜全摘術と、術後甲状腺機能亢進症の再燃がない全摘術ないしは甲状腺超亜全摘術(残置量をきわめて少なくする)に分けられる。・当院では長年にわたり甲状腺亜全摘術を標準術式としてきたが、再燃率が高いこと、再燃に関与する因子は甲状腺残置量を超えるものはないこと、残置量を少なくすることで術後低下症の過大な増加をみる。近い将来妊娠を希望する場合には、新生児バセドウ病の原因と考えられているTBIIは亜全摘術より全摘術のほうが速やかに低下する。小児期の本症は成人例に比して、病勢が強く亜全摘術では再燃する症例が多い。・以上から、現在は亜全摘術ではなく、術後再燃のない全摘術ないしは超亜全摘術を勧めている。
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