日常診療で診る感染症 この疾患を見落とすな
診断の遅れが致死的になる感染症 急性虫垂炎・腹膜炎
樽井 武彦
1
,
山口 芳裕
1杏林大学 医学部救急医学
キーワード:
抗細菌剤
,
触診
,
鑑別診断
,
虫垂炎
,
虫垂切除
,
遅延診断
,
腹膜炎-穿孔性
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Appendectomy
,
Appendicitis
,
Diagnosis, Differential
,
Palpation
,
Delayed Diagnosis
pp.788-791
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011021855
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・急性虫垂炎は頻度が高く、診断や治療の遅れが治療成績を左右するという点で、急性腹症の最重要疾患である。・右下腹部の自発痛と圧痛が典型的であるが、初発症状は心窩部痛や臍周囲の痛みであることが多い。・触診で圧痛の広がりと最強点を調べ、とくに腹膜刺激症状を診断することが重要である。・鑑別診断としては、憩室炎や大腸炎、婦人科系疾患、骨盤腹膜炎、尿路結石等がある。・白血球とCRPの増加、超音波等で虫垂の腫大や糞石などを証明して診断する。・手術適応を見落とさないことが重要であり、腹膜刺激症状、白血球数、超音波やCT所見等を参考に手術適応を疑ったら、時期を逸さず外科医にコンサルトする。
©Nankodo Co., Ltd., 2010