日常診療で診る感染症 この疾患を見落とすな
診断の遅れが致死的になる感染症 腎盂腎炎
大野 博司
1
1洛和会音羽病院 ICU・CCU
キーワード:
抗細菌剤
,
呼吸窮迫症候群-急性
,
腎盂腎炎
,
人工呼吸
,
超音波診断
,
X線CT
,
尿路感染症
,
遅延診断
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Pyelonephritis
,
Respiration, Artificial
,
Respiratory Distress Syndrome, Adult
,
Ultrasonography
,
Urinary Tract Infections
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Delayed Diagnosis
pp.814-818
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011021859
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・腎盂腎炎は敗血症を起こす市中感染症としてよくみられる疾患である。・尿路感染症では症状・身体所見および尿一般・沈渣、尿グラム染色で感染臓器を決定するが、高齢者や基礎疾患のある患者での腎盂腎炎では症状、検査所見が非特異的であることが多く、常に他の感染源との鑑別で考える必要がある。・腎盂腎炎では一般的に尿路感染症ではグラム陰性桿菌をまずはカバーするよう抗菌薬を選び、閉塞起点の有無(腹部エコー、腹部CTによる)に従い外科的ドレナージが必要かどうかを常に考える。・とくに尿路感染症で尿グラム染色は起因菌を絞るのに有用であるが、高齢者の繰り返す尿路感染症、カテーテル関連尿路感染症では耐性菌が問題となる。・尿路感染症の予防に、局所エストロゲンクリーム、クランベリージュースやプロバイオティクスがある。
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