消化器内視鏡診療の進歩 パラダイムシフトへの胎動を覘きみる
内視鏡技術のNew Frontier 高度肥満症に対する内視鏡的胃内バルーン留置
畑尾 史彦
1
1東京大学医学部附属病院 食道外科
キーワード:
体重減少
,
胃腸内視鏡法
,
胃バルーン
,
治療成績
,
肥満症
Keyword:
Obesity, Morbid
,
Weight Loss
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Treatment Outcome
,
Gastric Balloon
pp.693-696
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011003838
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肥満外科治療は海外では年々活発になっているが、胃癌発生率の高い日本人にとっては、胃に対して可逆的な方法が望ましい。内視鏡下に胃内にバルーンを留置する本法は低侵襲かつ可逆的な方法であり、最近は日本でも導入が進められている。安全性は肥満外科手術と比較して高いことが海外の大規模試験等によって報告されている。有効性についてはさまざまな報告がなされているが、一定の減量効果はみられるものの、留置期限が半年間であるため抜去後のリバウンドが課題となる。十分な効果を得るためには、患者自身の留置後の治療に対する取り組みが重要である。本治療を導入するには、内視鏡的な技術以上に肥満症治療に対する十分な見識と根気強いフォローアップが求められる。
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