糸球体疾患 腎炎からネフローゼまで、最高の診療を目指して
薬物療法の注意点 薬剤性糸球体疾患について知っておくべきこと
佐藤 博
1
,
伊藤 貞嘉
1東北大学 大学院
キーワード:
ネフローゼ-リポイド
,
Penicillamine
,
Propylthiouracil
,
Thiamazole
,
糸球体腎炎-膜性
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
溶血性尿毒症症候群
,
Mitomycin
,
抗好中球細胞質抗体
,
抗リウマチ剤
,
Bucillamine
,
有機金化合物
,
腎炎-抗好中球細胞質抗体関連
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Hemolytic-Uremic Syndrome
,
Nephrosis, Lipoid
,
Methimazole
,
Propylthiouracil
,
Penicillamine
,
Glomerulonephritis, Membranous
,
Mitomycin
,
Antirheumatic Agents
,
Antibodies, Antineutrophil Cytoplasmic
,
Organogold Compounds
,
Bucillamine
pp.77-80
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010250369
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
薬剤性腎障害の多くは尿細管間質障害が主体であるが、中には主として糸球体が傷害され、蛋白尿や血尿の原因になるものがある。非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAID)投与開始後4~6ヵ月以上経過してから、尿細管間質性腎炎を伴うネフローゼ症候群を発症することがある。bucillamineなどの抗リウマチ薬によりしばしば膜性腎症が発症する。mitomycin Cなどの抗腫瘍薬、ciclosporinなどの免疫抑制薬、経口避妊薬、インターフェロン製剤などで溶血性尿毒症症候群(HUS)が起こる場合がある。PTU(propylthiouracil)などの抗甲状腺薬を服用中にANCA関連腎症を発症する症例がある。これらの薬剤を使用している患者では、定期的に尿所見や腎機能をチェックすることが重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010