糸球体疾患 腎炎からネフローゼまで、最高の診療を目指して
薬物療法の注意点 糸球体疾患に合併する代謝異常の治療
渡辺 毅
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1福島県立医科大学 腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科
キーワード:
ネフローゼ症候群
,
血液凝固異常
,
血液透析
,
高カリウム血症
,
高カルシウム血症
,
高尿酸血症
,
高リン酸血症
,
慢性腎臓病
,
脂質代謝性障害
Keyword:
Blood Coagulation Disorders
,
Hypercalcemia
,
Hyperkalemia
,
Renal Dialysis
,
Nephrotic Syndrome
,
Hyperuricemia
,
Lipid Metabolism Disorders
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Hyperphosphatemia
pp.81-89
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010250370
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糸球体疾患では、病態・病期によって、ほとんどの体内物質に代謝異常を惹起する。多くの代謝異常はCKDの病因・進行因子としてCKD進展の悪循環過程を形成すると同時に、CKDの慢性合併症発症や心腎連関の要因として心血管イベント発症にも関与する。そのような代謝異常の一部は、介入による腎保護、心血管イベント抑制の科学的証拠が得られている。本稿は、他稿で扱う糖代謝異常を除き、臨床的意義が大きいと考える脂質、凝固・血小板機能、尿酸、ミネラルの代謝異常に絞って治療法を中心に概説した。
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