糸球体疾患 腎炎からネフローゼまで、最高の診療を目指して
薬物療法の注意点 糖尿病性腎症の血糖管理、腎機能に応じた適切な血糖管理をするために
安孫子 亜津子
1
,
羽田 勝計
1旭川医科大学 内科学講座病態代謝内科学分野
キーワード:
アルブミン尿
,
Insulin
,
Glycosylated Hemoglobin A
,
血糖降下剤
,
糸球体濾過率
,
腎機能検査
,
低血糖症
,
糖尿病性腎症
,
経口投与
,
重症度指標
,
禁忌(治療)
,
腎機能障害
Keyword:
Administration, Oral
,
Albuminuria
,
Diabetic Nephropathies
,
Glomerular Filtration Rate
,
Insulin
,
Glycated Hemoglobin A
,
Hypoglycemia
,
Hypoglycemic Agents
,
Kidney Function Tests
,
Severity of Illness Index
,
Renal Insufficiency
pp.73-76
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010250368
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糖尿病性腎症は尿中アルブミン排泄量と糸球体濾過値(GFR)によって第1期~第5期に分類されている。腎症前期~早期腎症では厳格な血糖コントロールが重要とされ、とくに糖尿病診断早期からの血糖コントロールが腎症の発症や進行阻止に重要であることが示されている。HbA1c6.5%未満を目標に血糖コントロールする。腎機能障害が進行すると、使用できる経口血糖降下薬が限られてくることもあり、インスリンを主体とした治療が必要になる。とくに腎不全期以降は、血糖値の変化や遷延性の低血糖に注意をしながら管理する。糖尿病性腎症の早期診断と病期に応じた適切な治療が、末期腎不全や透析導入を抑制するために今後もますます必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010