特集 血液脳関門:BBBの概念提唱から百年の時を越えて捉えたその実体
脳関門プロスタグランジン輸送の分子病態生理
立川 正憲
1
,
赤沼 伸乙
,
寺崎 哲也
1東北大学 大学院薬学研究科薬物送達学分野
キーワード:
Prostaglandins
,
炎症
,
血液脳関門
,
抗炎症剤
,
抗細菌剤
,
催眠剤と鎮静剤
,
生物学的輸送
,
分子構造
,
薬物相互作用
,
Organic Anion Transporters
,
脂質生合成
,
血液髄液関門
,
病態生理
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents
,
Anti-Bacterial Agents
,
Blood-Brain Barrier
,
Biological Transport
,
Drug Interactions
,
Hypnotics and Sedatives
,
Inflammation
,
Prostaglandins
,
Molecular Structure
,
Organic Anion Transporters
,
Lipogenesis
pp.946-949
発行日 2013年8月22日
Published Date 2013/8/22
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血液脳関門(BBB)や血液脳脊髄液関門(BCSFB)は,脳内で多様な作用を有するPGE2やPGD2を排出輸送することで,PGシグナル不活性化経路としての機能を担っている.特に,炎症病態モデルマウスでは,BBBを介したPGE2排出輸送機能が著しく低下していることから,脳内PGE2蓄積が病態発症の一因になると考えられる.さらに,一部のNSAIDsやセファロスポリン系抗生物質は,BBBを介したPGE2排出輸送を阻害し,中枢性副作用発症の原因の1つである可能性がある.このように生理活性脂質プロスタグランジン(PG)の脳関門輸送系は脳病態生理と密接に関わっている.
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