免疫性神経疾患 新たな治療戦略に向けて
代表的な末梢神経の自己免疫疾患 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーの病態機序
古賀 道明
1
1山口大学 大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
Interleukin-2
,
抗体産生
,
自己抗体
,
髄鞘
,
細胞性免疫
,
多発性根神経障害-慢性炎症性脱髄性
,
腫瘍壊死因子アルファ
,
調節T細胞
,
病態生理
Keyword:
Antibody Formation
,
Autoantibodies
,
Immunity, Cellular
,
Interleukin-2
,
Myelin Sheath
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
,
Polyradiculoneuropathy, Chronic Inflammatory Demyelinating
,
T-Lymphocytes, Regulatory
pp.797-800
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010193467
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)は、液性免疫と細胞性免疫の両者が関与する自己免疫性末梢神経疾患である。ミエリン抗原、とくにP0蛋白に対する血中抗体の関与が想定されているが、標的抗原は依然として不明である。CIDP患者の末梢神経には制御性T細胞の浸潤がみられるが、炎症を終息させる役割を果たしているのか、病態を悪化させているのかは明らかにされていない。CIDPは病因的、症候的、電気生理学的いずれにおいてもheterogeneousな病態を包括する概念であり、今後はCIDPを適切な方法でサブグループ化したうえで、CIDPの病態に迫る試みが必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010