内科医が診る不安・抑うつ どこまで診るのか、どこから診ないのか
内科疾患における不安・抑うつの診方 代謝内分泌疾患
深尾 篤嗣
1
,
高松 順太
,
花房 俊昭
,
大澤 仲昭
1藍野学院短期大学 第一看護学科
キーワード:
抗不安剤
,
甲状腺疾患
,
糖尿病
,
不安
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
抑うつ
,
DSM
,
肥満症
,
自己評価式抑うつ尺度
Keyword:
Anxiety
,
Depression
,
Diabetes Mellitus
,
Obesity, Morbid
,
Thyroid Diseases
,
Anti-Anxiety Agents
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
pp.222-226
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107262
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糖尿病には抑うつが合併しやすく、血糖コントロールの不良化や合併症の重症化に関連している。診断の際には糖尿病と抑うつは症状が重なることに注意を要し、抗うつ薬としてはSSRIを第一選択とすべきである。糖尿病では、「低血糖恐怖」にも臨床上配慮を要する。肥満症にも抑うつの合併がよくみられるが、その関係についてはいまだ不明である。甲状腺疾患ではバセドウ病と橋本病に不安・抑うつが合併しやすいが、今日ではその機序として、甲状腺機能異常以外に心因、性格、治療などの心理社会的要因のほうが重要となっている。バセドウ病患者において治療後にも残存する不安・抑うつは疾患の難治化に関連しており、抗不安薬やSSRIの有効性が示唆されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010