COPD治療の新時代 21世紀の「社会的」生活習慣病 全身疾患COPDの治療と対策
COPDのうつ,精神症状に対する治療
石井 健男
1
1日本医科大学呼吸ケアクリニック
キーワード:
患者教育
,
抗うつ剤
,
発生率
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
アルゴリズム
,
禁煙
,
診療ガイドライン
,
タバコ依存
,
抑うつ
,
DSM
,
呼吸理学療法
,
精神症状
,
肺疾患-慢性閉塞性
,
Serotonin-Noradrenaline Reuptake Inhibitors
Keyword:
Serotonin and Noradrenaline Reuptake Inhibitors
,
Algorithms
,
Antidepressive Agents
,
Depression
,
Patient Education as Topic
,
Tobacco Use Disorder
,
Smoking Cessation
,
Incidence
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
Practice Guidelines as Topic
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
,
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
pp.303-308
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014069721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
COPDは,うつ病あるいはうつ状態,不安症状を中心とする精神症状を合併することが多い.COPDの症状とうつの身体症状に共通する部分があり,注意を要する.うつは,COPD患者におけるQOL,増悪頻度,入院頻度,死亡率に悪影響を及ぼす.精神症状は,COPD治療のコンプライアンスも悪化させる.COPDの精神症状の治療は,COPDそのものの治療と精神症状の治療に分かれる.COPDそのものの治療は,呼吸リハビリテーションを含め,COPDの症状軽減を介してうつ症状改善を見込むことができる.ただし,禁煙はうつを悪化させる可能性があり,慎重に進める必要がある.COPDのうつの直接的治療として,抗うつ薬の投薬や認知行動療法を含めた積極的治療が必要と考えられるが,治療効果に関するエビデンスが不足している.
©Nankodo Co., Ltd., 2014