糖尿病診療の新時代 2010年代の展望
わかってきた合併症の病態とこれからの治療 糖尿病患者における虚血性心疾患
副島 弘文
1
,
小川 久雄
1熊本大学保健センター
キーワード:
一次予防
,
心筋梗塞
,
糖尿病
,
心筋虚血
,
二次予防
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Myocardial Infarction
,
Primary Prevention
,
Myocardial Ischemia
,
Secondary Prevention
pp.91-94
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010082282
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心血管系疾患が糖尿病患者の死因となる率は、非糖尿病患者の死因の3倍以上とされており、さらに、糖尿病患者の心血管系疾患の発症率は心血管系疾患の既往を有する患者と同等とされている。虚血性心疾患や虚血性脳動脈疾患の抗血栓療法としてのaspirinの有用性は、確立している。筆者らが行った研究では、急性心筋梗塞後の患者に対する少量aspirin療法により心筋梗塞再発が抑制されたことと、高齢者の糖尿病患者における動脈硬化性疾患に対する少量aspirin療法の有用性が明らかとなった。近年、日本人の糖尿病有病率は急速に伸びてきており、いかに糖尿病患者を管理し、心血管イベントを治療・予防していくかが最重要課題である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010