骨粗鬆症診療の進歩 骨折の予防と克服をめざして
骨粗鬆症はどのように予防、治療するのか? 薬物療法各論 骨形成促進薬を含む新規治療薬
井上 大輔
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1帝京大学ちば総合医療センター 第三内科
キーワード:
Strontium
,
骨形成
,
骨粗鬆症
,
副甲状腺ホルモン
,
新薬開発
,
Denosumab
,
NPS-2143
Keyword:
Denosumab
,
Osteogenesis
,
Parathyroid Hormone
,
Osteoporosis
,
Strontium
,
Drug Discovery
,
N-(2-hydroxy-3-(2-cyano-3-chlorophenoxy)propyl)-1,1-dimethyl-2-(2-nephthyl)ethylamine
pp.494-497
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009305748
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現在臨床で用いられている主な骨粗鬆症治療薬は、骨吸収抑制薬である。PTHはすでに諸外国で用いられている唯一の骨形成促進薬であるが、連日皮下注射を必要とする。また骨吸収抑制薬との同時併用では、効果を失う。strontium ranelateは、骨形成促進・骨吸収抑制作用を併せ持つユニークな薬剤で、海外ではすでに認可されている。作用機序には不明な点が多い。近年、特定の分子を標的とした薬剤が次々に開発されており、破骨細胞分化誘導因子RANKLを標的としたヒト抗RANKL中和抗体(denosumab)や、骨形成の負の制御因子sclerostinに対する中和抗体、内因性PTH分泌を増加させることにより骨形成を促進するCa感知受容体アンタゴニスト(calcilytics)などがある。
©Nankodo Co., Ltd., 2009