CRAS 心・腎・貧血の悪循環
V1およびV2受容体アンタゴニストと心不全治療
要 伸也
1
1杏林大学 第一内科
キーワード:
Arginine Vasopressin
,
心不全
,
Vasopressin Receptors
,
治療成績
,
Conivaptan
,
Tolvaptan
Keyword:
Arginine Vasopressin
,
Heart Failure
,
Treatment Outcome
,
Receptors, Vasopressin
,
Conivaptan
,
Tolvaptan
pp.83-87
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247947
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心不全に対しRA系抑制薬、利尿薬、βブロッカーなどが用いられるが、死亡率や入院の頻度はいまだに高く、医療費の圧迫要因となっている。バソプレシンの産生は心不全で亢進しており、V1a受容体、V2受容体を介する心筋リモデリングや心負荷の増大により、心不全の増悪要因になると推測されている。EVERESTスタディは、比較的重症の慢性心不全患者に対するV2受容体拮抗薬tolvaptanの効果を検証する二重盲検スタディであり、結果は、主にその水利尿作用により短期的、長期的に体液過剰所見と低Na血症の改善を認めたが、長期投与において心疾患による死亡率、入院の頻度に差を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009