心不全予防 その最前線を探る
併発した他臓器障害を考慮した予防的介入を探る 貧血
大倉 裕二
1
,
相澤 義房
1新潟大学 大学院医歯学総合研究科循環器学分野
キーワード:
Erythropoietin
,
Vitamin B12
,
Hemoglobins
,
心不全
,
生活の質
,
鉄
,
貧血
,
有病率
,
輸血
,
Folic Acid
Keyword:
Anemia
,
Blood Transfusion
,
Folic Acid
,
Erythropoietin
,
Iron
,
Heart Failure
,
Hemoglobins
,
Quality of Life
,
Vitamin B 12
,
Prevalence
pp.455-460
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177254
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慢性心不全患者はしばしば貧血を合併する。原因としては栄養性貧血をまず念頭に置くが、重症例では心腎貧血症候群およびanemia of chronic diseaseといった病態にも注意を払う。貧血の原因となっている疾患を治療し、造血因子の不足に対しては補充療法を行う。貧血の治療により心機能やQOLが改善することが報告されているが、生命予後の改善や心不全入院の減少については非定的な報告もある。CREATEおよびCHOIRでは、エリスロポエチンによる腎性貧血の治療目標として高ヘモグロビン(Hb)群(13g/dl以上)と低Hb群(11g/dl程度)が比較され、高Hb群のほうが死亡および心血管イベントが多く発生した。今後、慢性心不全に伴う貧血の治療法についても議論が巻き起こることが予想される。
©Nankodo Co., Ltd., 2007