CRAS 心・腎・貧血の悪循環
CRASにおけるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の役割
有馬 秀二
1
1近畿大学 医学部腎臓・膠原病内科
キーワード:
Angiotensin II
,
レニン-アンジオテンシン系
,
心不全
,
発生率
,
貧血
,
慢性腎臓病
,
CRA症候群
Keyword:
Anemia
,
Angiotensin II
,
Heart Failure
,
Renin-Angiotensin System
,
Incidence
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.48-52
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247941
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慢性腎臓病(CKD)および心血管疾患のいずれの病態にも、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)は深く関与しているが、それぞれ別々に関与するのではなく、「心腎連関」というネットワークの形成に重要な役割を演じている。腎臓内でAT1受容体が持続的に刺激されると心肥大・心不全が引き起こされることが明らかにされているが、心不全の進行により心拍出量が減少すると腎血流量が低下して腎機能が悪化するとともに、RAASが活性化され、さらに腎障害が進行する。したがって、ACE阻害薬・ARBでRAASを抑制することにより「心腎連関」の悪循環を断ち切ることが期待されるが、これらの薬剤がCRASにおける貧血およびその治療抵抗性の一因になっている可能性もあり、注意が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009