CRAS 心・腎・貧血の悪循環
造影剤検査とCRAS
宮地 武彦
1
1静岡済生会総合病院 腎臓内科
キーワード:
ヘマトクリット
,
腎臓疾患
,
心不全
,
造影剤
,
貧血
,
CRA症候群
Keyword:
Anemia
,
Contrast Media
,
Heart Failure
,
Hematocrit
,
Kidney Diseases
pp.34-38
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247938
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造影剤を使用する検査は、年々増加している。造影剤腎症は、造影剤の投与後3日以内に発症する急性腎障害で、通常は1~2週間以内に回復する可逆性の腎障害であるが、ときに不可逆的な腎不全に陥る場合もある。造影剤腎症の危険因子としてもっとも重要なのは既存の腎機能障害であるが、そのほかに糖尿病、高齢者、そして心・腎・貧血症候群(CRAS)を構成する因子である低心機能、貧血などがある。造影剤腎症の動物実験モデルでは、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の前投与による急性腎障害の軽減が報告されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2009