CRAS 心・腎・貧血の悪循環
糖尿病・糖尿病性腎症とCRAS
伊藤 博史
1
,
羽田 勝計
1オホーツク海病院
キーワード:
Erythropoietin
,
危険因子
,
Hemoglobins
,
腎臓疾患
,
心不全
,
糖尿病-2型
,
糖尿病性腎症
,
貧血
,
CRA症候群
Keyword:
Anemia
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Diabetic Nephropathies
,
Erythropoietin
,
Heart Failure
,
Hemoglobins
,
Kidney Diseases
,
Risk Factors
pp.29-33
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247937
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糖尿病患者においては、非糖尿病者に比べて、腎機能の障害程度に従った貧血の頻度が有意に高い。糖尿病患者では、貧血の進行に従った血清エリスロポエチン(EPO)の上昇を認めない。原因として、糖尿病性腎症に伴う間質障害によるEPO産生障害、尿中への逸脱、自律神経障害によるEPO産生調節障害などが考えられる。RENAAL試験のサブ解析での検討により、Hb 1g/dlの低下に伴う末期腎不全への進展の危険性は、11%上昇することが見積もられ、2型糖尿病における貧血は、たとえその貧血が軽度であっても、末期腎不全へ進展させる独立した危険因子であることが示唆される。
©Nankodo Co., Ltd., 2009