頭痛・めまいの診療 確実な診断・治療をするために今必要なこと
見逃してはいけない危険な頭痛を診断・治療する 脳血管障害と頭痛
光藤 尚
1
,
山本 文夫
,
伊藤 康幸
,
橋本 洋一郎
1熊本市立熊本市民病院 神経内科
キーワード:
クモ膜下出血
,
MRI
,
頭痛
,
脳血管障害
,
脳梗塞
,
脳出血
,
脳動脈瘤
,
頭痛障害
,
内頸動脈解離
,
CADASIL
,
頭部CT
Keyword:
Intracranial Aneurysm
,
Cerebrovascular Disorders
,
Headache
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Subarachnoid Hemorrhage
,
Headache Disorders
,
Carotid Artery, Internal, Dissection
,
Brain Infarction
,
Intracranial Hemorrhages
,
CADASIL
pp.868-872
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009197982
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くも膜下出血では、典型的な頭痛を伴わない場合もあり、注意を要する。脳出血では、くも膜下腔への進展、あるいは局所への圧迫をきたす場合に、頭痛を呈する。脳出血が軽症化しており、頭痛の有無による脳梗塞との鑑別は不可能である。眼窩部痛や頭痛を伴う眼筋麻痺では、内頸動脈・後交通動脈瘤、頸動脈・海綿静脈洞瘻(硬膜動静脈瘻)など、注意すべき疾患が多い。虚血性脳血管障害で頭痛を伴う場合には、脳動脈解離を疑う。脳静脈血栓症、CADASIL、下垂体卒中など頭痛を伴う注意すべき疾患もある。頭痛患者でも神経症候を的確に把握して、CT・CTA、MRI(拡散強調画像、FLAIR、T2*を含む)・MRA・MRV、髄液検査など、補助検査を必要に応じて適切に選択する。
©Nankodo Co., Ltd., 2009